先祖の祭祀に関係する字。
宀(屋根)+示(祭壇の机)
直系の先祖を祀る処(宗廟など)もしくは直系の家(宗家)・当主(あるじ)を「宗」という。同じ先祖を持つ一族の中心である「宗」が氏族の祭祀を代々受け継ぎ執り行う。
「宗」は上記を背景として以下のように意味を展開する。
- 首位の者、主(あるじ)、長(おさ)
- 本源、おおもと、はじめ
- 先祖また祖先中の有徳者
- 先祖・本源より別れ出た一族・流派
- 主要な…
- 尊ぶ。
医書(黄帝内経・靈樞)には「宗脉」として出てくる。
◆耳者宗脉之所聚也。耳とは宗脈の聚(集)まる所なり。『靈樞・口問』
宗脉_経絡。主要な脈のこと。また、『類經・經絡類・十五別絡病刺_手陽明之別』には、「宗脉とは脈が耳目の間に集まるもの。」との説明もある。
ヒトの元気の流れは、大地の水の流れをイメージする。第一に川であるが、川には大きなものだけでなく、それに流れ注いだり分枝する小川や水路がある。そして第二に、見えない所で地下に伏流水が流れている。それらが網の目のように張り巡らされて繋がって大地を潤し養っているのが、本来の大地の水の流れだ。目に見える川の存在は見えないものも含む多くの水脈の代表であり、これが「宗」である。一方、ヒトにおいては、元気が脈を形成し体中を潤し養っており、いくつかの経絡が中心となって多く脈を束ねている。これを宗脉と言う。