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🚨「朝から胃がキリキリして、吐き気まで…」
とある10月の夕方。19歳女性がお母様と一緒に来院されました。
前日の夜から胃の痛みがあり、市販薬を飲んでも改善せず、この日は朝から胃痛が続いていたそうです。生理2日目ということもあり、朝食は摂ったものの、昼食は食べられず、学校の授業を早退するほどつらかったとのこと。
来院時には、痛みのため横向きで丸まっている方が楽な状態でした。
本人曰く、いつも楽しみにしている動画を見る気力もないくらいだそうです。本当につらそうな様子でした。
熱や下痢はなかったものの、胃の痛みはかなり強く、触るとお腹全体に力が入って硬くなっている状態。
特に右下腹部はカチカチに張っていました。また、胃のあたりの皮膚は冷たくざらつきがありました。
🌟「大丈夫、きっと良くなりますよ」
まずは、体の状態を丁寧に観察し、施術を始めました。
- 腹部の緊張の緩和: 硬く緊張したお腹を優しく触れながら、その緊張を和らげるような鍼を行いました。
- 気の流れの調整: さらに、足にある「三里(さんり)」というツボに鍼をしました。このツボは、胃腸の働きを助け、滞った「気(生命エネルギー)」の流れをスムーズにする効果が期待できます。
- 全身のバランス調整: 患者さんの体を見てみると、腰の中心線(督脈)が少し乱れていたり、右側の腰の筋肉全体がガチガチに張っていたりしました。これらも体のバランスを崩し、腹部の不調につながっていると考えられるため、腰の調整も行いました。
鍼の後は、温かいお灸で体をじんわりと温め、リラックスしていただきました。
🎉「めちゃめちゃ元気!」翌朝には笑顔が!
施術後、ご本人からは「痛みはあるけど、少し気分が楽になった」というお言葉をいただきました。
そして、明らかに回復が見られたのは翌朝です。お母様から伺ったところ、なんと昨夜は苦しそうに丸まることなく、「上向きで寝ることができた」そうです!
朝は、ご本人は「めちゃめちゃ元気!」と笑顔で飛び起きてきたとのこと!
2回目の施術時には、胃の痛みはほとんど気にならなくなり、軽く食事も摂れるまで回復していました。
初めはあんなに硬かったお腹の緊張はほとんどなくなり、冷たくざらついていた皮膚も、ふっくらと柔らかくなっていました。残ったわずかな緊張を取り除き、最後にお灸で温めて施術は終了です。
🤔なぜ鍼灸で急な腹痛が改善したの?
この方は、幼少期に腸重積で盲腸切除の既往があります。今回の腹痛の原因はわかりませんが、施術により以下の変化が起きたと考えられます。
- 過緊張の解放: ストレスや疲労でガチガチになっていた腹部や腰の筋肉の緊張が緩んだ。
- 血流・気流の改善: 滞っていた胃腸周辺の血行や「気」の流れがスムーズになった。
鍼灸治療によって、胃腸の働きを邪魔していた体の緊張や気の滞りが解消されたことで、胃の不調が改善に向かったと考えられます。
薬を飲んでもなかなか治らなかったつらい胃の痛みや吐き気も、鍼灸で体の根本から整えることで、想像以上に早く楽になることがあります。
つらい症状でお悩みの方は、鍼灸治療もその選択肢の一つに入れていただければと思います。