「鼻の鍼で腰がスッキリ?」と聞いて、あなたは信じられますか?
今回は、慢性副鼻腔炎の施術でのエピソードと、その背後にある東洋医学独自の考え方を紹介します。
私は患者さんの訴えに耳を傾け、鼻の周りに鍼を丁寧に刺していきました。体表に現れているツボは、まるで鼻の通り道を優しく開いていく鍵のようです。施術中、私は体の滞りを注意深く感じ取り、全身の緊張を取り除いていきました。
施術が終わり、患者さんが立ち上がると、驚いたことに「腰が軽くなったみたい!」と笑顔で伝えてくれました。私は「鼻詰まりのツボは背中の流れと繋がっているんですよ」と説明すると、患者さんは不思議そうな顔をしていました。
解説
今回使用したツボの中に晴明(せいめい)、攅竹(さんちく)があります。いずれも眉間周辺のツボで太陽膀胱経という経絡に属しています。膀胱経は、眉間から始まり、頭頂部を通って背中を下り、腰、そして脚の後ろ側へと流れています。つまり、膀胱経は身体の背面全体に影響を及ぼす経絡なのです。
鼻のツボへの刺激が腰に影響を与えたのは、一見すると不思議な現象ですが、東洋医学的には理にかなっています。経絡は、体中に張り巡らされたエネルギーの通り道のようなもので、ツボはその経絡上の重要なポイントです。鼻のツボを刺激することで、膀胱経全体のエネルギーの流れが活性化し、腰の不調が改善されたと考えられます。
あなたの身体にも、まだ知らない可能性が眠っているかもしれません。