『霊枢:九鍼十二原』には、元気の流れを維持することを「神を守る」と表現している。
◆小鍼之要,易陳而難入。麤守形,上守神。神乎神
小さな鍼を使うのは、言うは易く行うは難し。
初学のものは、目に見える症状などに振り回されて病の本質を見過ごしてしまう。
巧みな術を持つものは、目に見えない元気の流れを意識して生命力を保つことに尽力する。
「あなたの身体をあなたとしてしっかりとまとめているもの」それが神だ。
これを守らないでどうするのか。
元気とは生命力の根本。気と称したり、気・血または気・血・水と分けて述べることもある。
絶え間なく循環する元気、これこそが生命そのものすがたであり、
神の働きの現れである。
◆客在門。未覩其疾,惡知其原
元気が滞ると、その部位は硬くなり「コリ」として認識される。
この「コリ」をそのままにすると、その周囲に滞りが広がりまた深くなって、ついには病となる。
病が未だに生じていなくても、滞りを見つけて上手く対処することで(生命力)神を守ることができる。