メモ書き 離人・現実感喪失症候群

離人・現実感喪失症候群について

Depersonalization-Derealization Syndrome

症状
離人症状
・自分が自分でない感じがする
・すべてのことに実感がわかない
・心が動かない感じがする
・いきいきとした感じがない
・これまでの自分と感じ方がどこかが違っている
・自分の意思の通りに身体は動くけれど,自分のもののように感じられない
・暑いとか寒いとか,嬉しいとか悲しいとか,わかるけどピンとこない
現実感喪失症状
・風景に現実感がない
・確かに自分が見ているのに,自分で見ている感じがしない
・これまで通りに見えているし,聞こえているけれども,何かが違う
・ヴェールに包まれたみたいで,周りから隔てられている気がする

特徴
離人症状は稀なものではなく、
疲労時、薬物影響下、宗教的影響下で一過性に現れることがある。
ストレスの強度を減じて自我を守るという作用から、症状が出現すると考えられる。
元気がない、仕事ができない、疲れが取れない等、軽いうつ症状を訴えることが多い。
他の精神病を伴うことがある。うつ病、統合失調症など。
症状が持続性または反復性に出現する。
この症状が誰かによってもたらされたり強いられたりしたものではなく,みずからの精神内界の変化によって生じていることを患者が理解している。
生活への支障
離人感や現実感喪失による本人の苦痛は強いが,日常生活に支障をきたすことは少ない。
症状に悩まされながらも適応を保って社会生活を続けていることが多い。
症状の経過と治療
症状の出現時期
はっきりと「何月何日」と示すことが出来る場合や、

「気が付くとそうなっていた」とゆるやかに発症している場合など、発症はいろいろ。

どんな経過をたどるのか
短期間の一過性のものから長期に持続するものまであり,明言することは困難である。
しかし、長期に持続しても社会適応に影響することは少なく,自然に軽快することが多い
症状は薄紙を剥ぐように徐々に薄まり,その過程は意識しにくい。
治療
確立した治療法は無い。
薬物療法には限界があり、症状の消退を目標とすることは難しい。
薬物療法は、症状に対する不安を軽減する等の補助的な役割に留まる。
治療目的は、

症状によって支障をきたしている生活機能の改善、

随伴する不安や抑うつの軽減、

他の精神疾患が出てきた場合の見守りである。

現実での適応能力が高まれば,医療の必要性が軽減しているものと判断し,受診間隔を延ばし,終結へ至る。

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東洋医学では、ヒトの精神を気の働きの現れとして捉えている。
五臓六腑の営みがココロの状態に影響しているのだ。
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肝之藏は、臓腑の気の調節を担っている。
感情の高ぶりが肝之藏の調節力を超えた時、病となってしまう。

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本来、魂魄の分離は死を意味するので、
離人の場合はこの状態とは考えられない。

しかし、施術においては魂魄関係の歪と捉え、

魂を司る肝と魄を司る肺との関係を調えることを主として行う。

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施術を継続することで、
先ず体調が改善されてゆき、精神的に安定する方向へと向かっていく。

決して焦らないことだ

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参考
臨床精神医学 第40巻増刊号:238-241,2011