ヒトは生命を保つために
身体に必要なものを取り入れ活用し、
不要なものを留めない様に処理している。
必要なものとは、飲食物や空気。
不要なものとは、生命活動によって出る老廃物(大小便や汗、邪気を含む)。
老廃物の処理には、
循環による浄化と、体外への排出がある。
生命活動あるところ、必ず老廃物は出る。
よって、その処理を行なう能力は身体自身に備わっているはずだ。
しかし、その老廃物の処理が十分に行なわれないこともある。
不摂生によって身体に負担をかけたり、
病気や老化等によって衰えてくると
この老廃物の処理もうまく出来なくなる。
体内に老廃物が留まった状態が続くと、
その部分や身体全体の働きを抑制し、気の流れが乱れて病へと進む。
病気は「気を病む」と読めるが、
まさしく病は気の不具合から始まるといって過言ではない。
老廃物を処理し身体のお掃除をすることで、
気の流れは復することと成り、これが養生へと通じるのだ。
鍼灸術の働きは、此処に発揮されるのである。
平成戊子年乙丑月庚戌日 小寒