3月10日は福岡県糸島市にある松国自然農学びの場の集合日でした。
自然農とは、化学肥料や農薬を使わず、自然の力を最大限に活かして作物を育てる農法です。
月に一度の集合日では、午前にその月に必要な農作業を学び、午後から学びの場の維持に必要な作業を行っています。
目次
午前の部
川口さんの言葉
自然農の提唱者、川口由一さんの著書『自然農にいのち宿りて』から、「化学肥料、有機肥料、いずれの肥料も非自然-存在するすべてが一体となって生きる」という一節が紹介されました。
この文章から、「いのち」というものは、多様な生物の営みによって支えられるのが本来の姿である。と感じました。具体的には、以下のようなことかなと思います。
- 米や野菜は、土中の生物や草などがあるところで、多くの生物の営みによって育つ。
- 単に栄養を与えるだけでは、真の「いのち」は育まれない。
- 耕作や除草によって土中の生物や草を駆逐してしまうと、土は生命力を失い作物を育てることができないので肥料や農薬を用いることになるが、作物は軟弱になる。
- 肥料や農薬に頼らない生物多様性を尊重した農こそ、真の生命力を持つ米や野菜を生み出す。
農作業の説明と実習
3月中に行っておきたい農作業の説明を代表の村山さんが実演されました。
水田の苗床準備
自然農の田んぼは4m幅で畝が立っており、畝の間と田んぼの外周に溝が存在します。
4月の苗床作業の前に、溝の土を畝や外周の土手に上げて修復します。
ニンニク
初期の手の貸し方が大事。きちんとできれば株は大きくなります。
ネギ・タマネギ
ネギとタマネギは、苗床で苗を作ることができます。今回は、ネギの種まきを行いました。
手順は以下の通り。
- 雑草をざっと取り除く
- 鍬やねじり鎌を使って表土を削る
- 鍬の刃で表土を刺して根を切り、地下茎を取り出す
- 鍬や手掌で表土を平らに圧す
- 適当な密度で種をまく
- 篩を使って細かくした土で覆土する
- 手掌で土を軽く圧す
- 乾燥防止のために草を載せる
ゴボウ・ニンジン
今回はゴボウのスジ撒きをしました。手順はネギと同じ要領です。
ジャガイモ
ジャガイモは、4月頃まで植えることができます。芽が伸びすぎた種芋は力が弱くなっています。芽掻きをしないと小さな芋になるので、最終的に芽は3本ぐらいにします。
午後の部
午後は、3班に別れて作業しました。
- 南の田の溝の修復
- 北の畑のイノシシ対策
- 燃やし場
感想
天気が良くて気持ちよく参加することができました。川口由一さんの言葉はいつも心に響きます。午後の溝上げ作業は、良い運動になりました。
収穫した土筆とシイタケは、美味しくいただきました。