太陽がカゼをひく!?中風と傷寒、見分け方は?

太陽くんは、いつも元気いっぱいでみんなを照らしてくれる。でも、ある日、なんだか様子がおかしい。脈を診ると、いつもより浮ついている。頭と首筋がこわばって痛くて、ゾクゾクと寒気がするようだ。

「これは、もしかして…中風?」

太陽くんは心配になった。中風というのは、熱が出て汗をかき、ゾクゾクする病気だ。脈は浮いて柔らかくなる。

「でも、熱はないし、汗もかいてない。それに、脈はむしろ硬く緊張している…」

太陽くんは首をかしげた。もしかしたら、違う病気かもしれない。

「もしかして…傷寒?」

傷寒というのは、悪寒がして体中が痛くなり、吐き気がする病気だ。脈も緊張している。但し汗は出ない。

「悪寒はするし、体も痛い。吐き気もするし、脈も緊張している…」

太陽くんは、自分が傷寒にかかってしまったのだと確信した。

「どうしよう…早く治さないと…」

太陽くんは、不安でいっぱいになった。でも、彼は諦めなかった。必ず治して、またみんなを元気に照らしてあげたいと思った。

太陽の病というものは、脈が浮いて、頭や首筋がこわばり痛むとともに、悪寒がする。
中でも、発熱、発汗、悪風があり、脈が緩慢なものを、中風という。
また、すでに発熱している場合もあり、まだ発熱していない場合もあるが、必ず悪寒する。身体の痛み、吐き気があり、脈が緊張しているものを、傷寒という。

太陽之為病,脈浮,頭項強痛而惡寒。
太陽病,發熱,汗出,惡風,脈緩者,名為中風
太陽病,或已發熱,或未發熱,必惡寒,體痛,嘔逆,脈陰陽俱緊者,名曰傷寒

傷寒論

漢方における「カゼ」と「太陽病」

一般的に「カゼ」と呼ばれる症状は、漢方の古典である「傷寒論」では「太陽病」として扱われます。ゾクゾクと寒気がするのが特徴です。太陽病は大きく「中風(ちゅうふう)」と「傷寒(しょうかん)」に分けられ、汗の有無や脈の違いで分類します。

中風傷寒
有る無し
浮いて柔らかい浮いて緊張している
太陽病