病は気から

病気とは、「気を病む」と読めるように
【気】が病んだ状態です。

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身体のみならず
天地をあまねく満たし循環しているもの
それが【気】にほかなりません。

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【気】はガス状のもので、
集まったり散らばったりして
いろんな状態を呈しながら万物となり
また、万物の生死に関わっています。

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生命とは、【気】が集まり循環している状態であり
【気】が散るということは、死を意味します。
ヒトも例外ではありません。

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身体の働きは精神も含めてすべてが【気】の営みです。
この欠くことのできない【気】の循環が障害された時
そこに疾が生じ
甚だしければ、病となるのです。

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病に対する鍼灸の役割を説くならば
身体との対話を通して、どこに【気】の滞りが在るのかを把握し
数本の針と一握りのモグサを用いて、本来あるべき状態へと変化を促すこと。
これに尽きます。
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『類経図翼』に曰く

凡そ諸病の作るや、皆な血気壅滞し、通ずるに宜しきを得ざるに由る。

鍼をもって之を開導し、灸をもって之を温煖すれば、治まりて終わる。
【意訳】

多くの不健康な状態は、すべて気の循環障害が原因である。
気の滞りのあるところを、鍼術によって開通し灸術によって温めることが出来れば
治療の目的は達せられるのだ。