私が常に使用している毫鍼(刺す針)の太さは、直径0.16mmです。 鍼治療の針としては比較的細めであり、髪の毛(0.07mm)の倍ぐらいの太さです。
針の太さには規格があります。メーカーによって多少違いはあるでしょうが、私が使用しているステンレス製の針(セイリン株式会社)では、細いものは直径0.1mm、太いものは0.35mmです。この針は太さによって柄の部分を色分けしているので、一目で太さが認識できます。中国針は結構太くて0.28mmですが、注射針の細いものに比べてもかなり細いです。参考までに注射針は細いもので外径0.455mm(26G)です。
番 | 直径mm | セイリン針の色 | 備考 |
03 | 0.10 | ロイヤルブルー | |
02 | 0.12 | ダークグリーン | 顔に使う |
01 | 0.14 | グリーン | |
1 | 0.16 | レッド | よく使う |
2 | 0.18 | アイボリー | |
3 | 0.20 | スカイブルー | お尻や腰に使う場合もある |
4 | 0.23 | ピンク | |
5 | 0.25 | バイオレット | |
8 | 0.30 | セピア | 中国針の太さ |
10 | 0.35 | ブラック |
針の太さの表記には番手が使われます。普通の毫鍼の場合は1番2番3番…と、直径が太くなるごとに番号が大きくなっていきます。一方、特殊な細い針の場合は、01番02番と直径が細くなるごとに番号が大きくなります。番手が一つ太くなると、刺激を強く感じます。また、鍼の響きも強くなる傾向があります。
私が細い針を使う理由は、刺激が優しく体への負担が軽微だからです。
例えば、個人差はありますがマッサージなどで強くもみすぎると「揉み返し」があるように、鍼治療でも過度の刺激では起こり得ます。ですから、細い針を使用することによって、刺激の強さを抑えています。
一方で、針があまりに細いと刺しにくいです。よく使用する 40mmや50mmの長さの針 の場合、刺すことができたとしても目的とする深さまで入れるのが難しいです。針がフニャフニャなので指で摘んで押し入れていくのが大変です。学生であった遠い昔、技術力の乏しい学生は3番5番といったかなり太い針で実習していたように記憶しています。
顔、手掌、足底などは、痛みを感じやすいので、 02番(0.12mm) のような特に細い針を使います。このときは、短い針を選ぶと使いやすいです。
心地よい治療を提供するにはどのような針が良いのか。私との相性を考慮しながら針を選んでいます。
以上、私が使用している毫鍼の太さについてご紹介しました。