歯長而垢

「なんで、お年寄りは歯が長いんだろう。」
幼いころの私は不思議に思っていました。
今では、歯のお手入れの行き届いた方を良く見受けますが
50年近く前は、インプラントをしている方もなく
自然な老化の状態を披露してくれていました。

歯と歯肉の関係は、元気の枯渇で悪化します。
特に関係が深いのは【腎の臓】に関わる気の流れです。
この流れは足の少陰の脈と言い、骨と肉をしっかりと結びつける役割があります。
歯は骨の仲間との位置づけますので、
足の少陰の脈が枯れてくると、歯と歯茎の状態が悪くなります。
具体的には、
歯肉は痩せて縮み、だんだんと歯が長くなります。歯と歯茎がぐらつき、ついには、剥がれ落ちるように、歯が抜けてしまいます。(霊枢_經脈篇)

この脈の状態は比較的簡単に観察できます。
場所は、内くるぶしとアキレス腱の間です。
クスミがあったり凹みがひどくありませんか?

足少陰の脈をいかに良い状態に保つか
これが、いつまでも自分の歯を保つことにもつながるのです。

霊枢_經脈篇:
足少陰氣絶.則骨枯.少陰者.冬脉也.伏行而濡骨髓者也.故骨不濡.則肉不能著也.骨肉不相親.則肉軟却.肉軟却.故齒長而垢.髮無澤.髮無澤者.骨先死.戊篤己死.土勝水也.