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ヒトは何故あくびをするのだろうか?
東洋医学では『欠』と記されており、陰陽のバランスから捉えることができる。
陰陽の関係は、シーソーのようなもので
一方が強くなると、もう一方は弱くなる。
陰は太陽が沈んだ夜に力をつける。それに伴い、陽の力が弱くなる。
陽とは、活動の例えであり、陽が衰えると身体の活動は動から静へと変化する。
よって、陰が旺盛な夜は眠たくなるのだ。
陽は太陽が空に昇ると力をつける。それに伴い、陰は力が弱まる。
よって朝には眼が覚めるのだ。
本来、日中は陽の力が旺盛なので、あくびが出ることは少ないが
冷え性であったり、身体を長時間動かさずにいると、
陰の力が増し、陽の活動を邪魔するようになり、あくびを引き起こす。
治法としては、陰を減らして陽を補う。
本来の正常な状態へと回復させるのだ。
具体的には、足の少陰腎経の気の流れを抑制し。
足の太陽膀胱経の気の流れが旺盛になるよう導いてゆく。
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黃帝曰
人之欠者何氣使然
岐伯荅曰
衞氣晝日行于陽夜半則行于隂
隂者主夜夜者臥
陽者主上隂者主下
故隂氣積于下陽氣未盡
陽引而上隂引而下隂陽相引故數欠
陽氣盡隂氣盛則目瞑
隂氣盡而陽氣盛則寤矣
寫足少隂補足大陽
『霊枢・口問第二十八』より意訳す 平成庚寅年 春分