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自然な美しさとは、単に外見を整えることだけではありません。内側から輝く本当の美しさは、心身ともに健康で充実している状態から生まれます。
そのための重要な鍵の一つが「お腹」なのです。
東洋的身体観においては、下腹部の「丹田」を中心に体を使うとされています。これは、お腹が体の中心であり、体全体の力を発揮する源泉であるからです。
また、五行思想では、木火土金水という5つの働きによって世の中が成り立っていると考えます。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五方 | 東 | 南 | 中央 | 西 | 北 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾・胃 | 肺 | 腎 |
五竅 | 目 | 舌 | 口 | 鼻 | 耳 |
方位において東西南北は木金火水、中央には土が配当されています。これは、土があらゆる生命の営みの舞台であるがゆえです。
そして、五臓では肝は木、心は火、脾は土、肺は金、腎は水とされています。
このことから、脾胃(消化器系)が担う役割が、体の中心である「土」と密接に関係していることがわかります。
つまり、お腹は単なる消化器官ではなく、私たちの体全体の健康を支える重要な役割を担っているのです。
土は、植物の成長に必要な栄養素を吸収し、蓄える役割を担っています。また、多くの生命が土の中で共存し、それぞれの役割を果たしています。土の状態が悪ければ、植物は育ちません。
それと同じように、お腹の調子も健康に大きな影響を与えます。腸は、体全体の免疫機能の約7割を担っていると言われる重要な臓器です。腸内環境が悪化すると、免疫力が低下し、さまざまな病気にかかりやすくなります。
鍼灸治療を受けている時、お腹が「グルグル」と鳴ることがあります。これは、ツボの刺激によって腸が活発に動き始めたサインです。決して恥ずかしいことではありませんので、安心してリラックスしてください。むしろ、この現象は、治療がうまく進んでいる証拠と言えるでしょう。
日本独自に発展した東洋医学の診断技術として「腹診」があります。お腹の体表に触れたり観察することで、健康状態を把握する方法です。お腹の色、形、硬さ、温かさなどから、生命力の強さ、気血水の状態、病位(病の位置)などを判断することができます。
例えば、疲労による元気の消耗が長く続くと、下腹部の丹田の部分が凹んだり皮膚がくすんだりします。一方、元気が回復してくるとその部が充実して力強くなり皮膚が明るく艶がでてきます。
自分の下腹部に手を当ててみませんか?
手のひらに心を置くと、色んな情報が入ってきます。
凹んでいたり、皮膚がザラザラしていたり、冷えたりを感じるかもしれません。
先ずは感じることが大切です。
お腹は、私たちの健康の土台です。ぜひお腹の調子を整えることを意識してみてください。
鍼灸治療の目的は、体の自然治癒力を高め、体の働きを助けることです。お腹の調子を整えることも、この目的を達成するために重要な役割を果たします。
鍼灸治療と密接な関係にある「お腹」について、その重要性や役割について説明しました。お腹の調子を整えることは、健康な生活を送るために欠かせません。
田中鍼灸院では、患者さん一人ひとりに合わせた施術で、あなたの健康的な美しさをお手伝いします。お気軽にご相談ください。